cinematheque 30/- blog

いつも心にデカダンを。

【日記】2017年8月3日

f:id:kojimat:20170803205725j:plain

あら、今週のお題が「ちょっとコワい話」だ。7月16日の日記はここで書けばよかったかもしれない。あんまりコワくないかな。

kojimat.hatenablog.com

さて、一昨日にジャンヌ・モローの訃報を聞いて以来、頭の中でカルロス・ダレッシオの『インディア・ソング』がずっと流れている。デュラスの同名の映画では使われなかった、モローが歌ったヴァージョンの方だ。


Jeanne Moreau - India Song

インディア・ソング [DVD]

インディア・ソング [DVD]

 

歌でも本でも、そして映画も、強度の高い創作物は、触れる者に瞬間的で強烈な没入を促す。頭の中のリフレインが眼にも作用して、いつもと同じ建物の廊下や白い壁が、カルカッタのフランス大使館、として撮影されたパリのロスチャイルド邸、の廃墟の一部に思えてくるーー暑さのせいかもしれないけども。わたしにとって『インディア・ソング』とは、は作品の舞台となったインドではなく、撮影時に使われたパリのある公園(※1)とそこにある廃墟の邸宅のことなのだ。さらにモローの声は、私だけのそれらの記憶にガリガリと爪痕を残す。疵や不整合がある、それでやっと映像が完成されるとでもいうように。

先週末のモヒートといい、パリを思わせる事柄が最近多い。最後に行ってから3年、だいたい2年に1回行っているのですごく間が開いているわけでもない。けど今、無性に行きたい。前みたいにアパートを借りて、語学学校に行きたい。モノプリで買ったプロヴァンスソースでオムライス(米は持参)を作りたい。バターを買いだめしたい(Presidentので十分)、ヒューガルデンのロゼ(※2)を6本パックで買って痛飲したい。移民しか客がいないデリで、広東風焼きそばを食べたい(皿はジップロックコンテナ)。書きたいことを書き散らかして本日は終了。

 (※1)ロスチャイルド家の領地だったこの場所はかつてParc Edmond de Rothchildであったが、ブーローニュの森に隣接しているためか現在はParc de Boulogne-Edmond-de-Rothschildに名前が変わっている。『インディア・ソング』でカルカッタのフランス大使館として使用された邸宅は現在取り壊されてしまったが、過去の渡仏では何度か見ることができた。地図右下あたりには全仏オープンの開催されるローラン・ギャロスがある。

f:id:kojimat:20170803134931p:plain

(※2)日本では飲めないと思い込んでいたら、普通にAmazonで売っていた。フランボワーズのフレーバーで、ビールなのに色も味も実に優美。 

ヒューガルデン ロゼ 瓶 250ml×24本

ヒューガルデン ロゼ 瓶 250ml×24本