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【映画】アンジェイ・ワイダ『残像』公開

昨年逝去したアンジェイ・ワイダの遺作『残像』(2016, ポーランド)が今週末より公開される。

zanzou-movie.com

第二次大戦後、ソ連の衛星国となったポーランドを舞台に、実在した画家ヴワディスワフ・ストゥシェミンスキの晩年を描く。

「実在の人物」「教育者」「反体制」というと同監督の『コルチャック先生』(1990)を思い出すが、前作はモノクロ、今回はカラー。予告でも色が象徴的に使われている

私は、人々の生活のあらゆる面を支配しようと目論む全体主義国家と、一人の威厳ある人間との闘いを描きたかったのです。一人の人間がどのように国家機構に抵抗するのか。表現の自由を得るために、どれだけの対価を払わなければならないのか。全体主義国家で個人はどのような選択を迫られるのか。これらは過去の問題と思われていましたが、今もゆっくりと私たちを苦しめ始めています。どのような答えを出すべきか、私たちは既に知っている。そのことを忘れてはならないのです。2016年初夏 アンジェイ・ワイダ

 公式サイト「アンジェイ・ワイダの言葉」より一部抜粋

群像劇を得意とし、『カティンの森』(2007)でも戦後ポーランドの懊悩を描いたアンジェイ・ワイダ。今回は一人に焦点を当てることで、より巨大な影――「残像」を映し出すのだろうか。

6/10(土)から岩波ホール(神保町)(※1)をはじめ、全国で上映予定。

www.iwanami-hall.com

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※1:さて、岩波ホールとなると、鑑賞後のカレーはどこで食べるか非常に悩ましい(カレー以外の選択肢は無し)。ボンディなのかエチオピアなのか、共栄堂なのか、はたまたガヴィアルなのか…しかも食後のコーヒーはどこで飲むのか…ひさしぶりにミロンガ・ヌオーバか伯刺西爾(ぶらじる)に行きたい。