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いつも心にデカダンを。

【日記】2017年7月12日

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(Akebonobashi, Tokyo, 2017)

先日SHIBUYA TSUTAYAに行ったら、『さらば愛しき女よ』(1975)がずらりと並んでいて驚いた。

さらば愛しき女よ [DVD]

さらば愛しき女よ [DVD]

 

いつDVDに!?と調べたところ、今年3月に発売されたてのようす。いやはや良かった、復刻されて大変嬉しい。

いわゆる「マーロウもの」で、かの『チャイナ・タウン』(1974)にも劣らないと評されたハードボイルドの隠れた傑作である。デヴィッド・シャイアの気怠いテーマ曲からしてもう好みで、ロバート・ミッチャム版フィリップ・マーロウのモノローグもひどく哀切だ。そしてシャーロット・ランプリングの薄青の眼と緑のドレスには、誰もが一目でノックダウンされてしまうだろう。借りてる場合じゃないな、これ買っちゃうしかないな。

映画音楽についての記事を準備していると、調べたり資料を集めたりしているうちにこれも観なくちゃ、あれも観ておかなくてはなという作品が増えて面白い。一度は食指の動かなかった作品も、「音楽がこの人なら」「撮影がこの人なら」という切り口で手に取る機会が出来ていく。映画の海は広く深い。