【企画】戦争をめぐる映画/旅(全二部)
すっかり夏めいて、日中に外にいると融けてしまいそうです。
それでも風や光や樹々のざわめきは清々しく、人の心に語りかけます。
夏だよ。夏だね。
<この企画を始めるにあたり>
プロフィールの通り、このブログは写真ギャラリーのおまけブログではありますが、写真と同じくらい好きな「書くこと」を通じ、自分の視たもの・聞いたものについて発信していくつもりです。
今回は8月の終戦記念日を間近に控え、また昨今の世界情勢をみるにつけ、いち映画好き、旅行好きとしても戦争について考える企画をやりたいと思い始めました。
一昨年に訪れたアウシュヴィッツ強制収容所とカンボジアのこともつねづね書きたいと思っており、その旅行記に様々な映画の紹介を絡めることで「場」の理解が(自分に関しても)深められはしないだろうかと思った次第です。
<主な流れ>
今回の企画は、自分が実際に行った第二次大戦における惨禍の場所を旅日記で巡りながら、世界の各監督がフィルムに収めた「彼らの戦争」を紹介していきます。
<具体的なプログラム>
第一部 アウシュヴィッツ、カティンの森、そしてヒロシマ
【旅日記】
ポーランド(アウシュヴィッツ)、パリ(SHOAH記念館)、
【映画評】(作品は変更の可能性が、また記事の順番は前後する可能性があります)
・『夜と霧』(1955/アラン・レネ)
・『SHOAH』(1985/クロード・ランズマン)
・『イングロリアス・バスターズ』(2009/クエンティン・タランティーノ)
・『カティンの森』(2007/アンジェイ・ワイダ)
・『ひろしま』(1953/関川秀雄)
・『二十四時間の情事』(1959/アラン・レネ)
第二部 キリング・フィールド~消えた画(え)
【旅日記】
カンボジア(キリング・フィールド)
【映画評】
・『キリング・フィールド』(1984/ローランド・ジョフィ)
・『S21』(2003/リティ・パニュ)
・『消えた画(え)』(2013/リティ・パニュ)
時期の問題もあるにせよ、なぜ他の戦争―たとえば湾岸戦争―が取り上げられないのか。ほかの紛争や、虐殺はなぜ選ばれなかったのか。といえば、単純に私が書くべき言葉を未だ持っていないからです。
今回書こう・書けると思ったのは、実際に訪れた各地で悪夢の幻影と対峙した記憶が、多くの優れた映画の助けを借りれば、(極めて個人的であるにせよ)ひとつの戦争への態度を明らかにできるかもしれないと考えたためです。
映画好きの割に批評的観察眼は無いに等しく、歴史認識にも誤りがあるかもしれません。映画以外にも様々な資料にあたりながら進めていきますが、進行途中でのご意見・ご指摘も大歓迎です。
広げてしまった大風呂敷、はたしてこの夏でまとめ上げられるのか(!?)。何度も考えながら、ゆっくり進んでいきます。秒速1センチくらいの気持ちでお付き合い頂ければ幸甚です。
それでは早速、第一部 アウシュヴィッツ、カティンの森、そしてヒロシマを始めようと思います。
まずは旅行記「ポーランド到着~アウシュヴィッツへの道」、明日7/20(水)更新予定です。
どうぞよろしくお願い致します。
2016.7.19 kojimat