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いつも心にデカダンを。

【日記】2016年10月19日

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なーんかダメな日。くるしい日。というものが、10月に入ってから続いている。薄曇りの日は引きこもって本を読んでいたいと、子どものように愚図っている。ちゃんと仕事してるけど。

大人気ないと自覚があるのに、医師は「(今は)本を読む時期だもの。」とにべもなく、パートナーにいたっては「寒くなったからいいんだよ。」と甘やかす始末。しょうがない(?)し実際気持ちがダメだしで、もっぱら休日は本にかぶりついている。薄曇りの光でページが照らされるとちょっと眠い。

再読したもの:

・『テレーズ・デスケルウ』フランソワ・モーリヤック(集英社  世界文学全集26)

・『ジェーン・エア』シャーロット・ブロンテ(新潮文庫)

日本での『テレーズ』は「遠藤周作が愛した小説」という触れ込みで有名かもしれない。ということは宗教的な観点が重要なわけだが、自分はただもうテレーズという聡明で哀れな女が好きで好きで、事ある毎に読み返す。こんな風に書くと変態みたいだけど、罪を犯した自分への問いと苦悩のなかで彼女はいつも、とてつもなく魅力的なのだーーときに描写のうえで「醜い」とさえ言われても。

また、この苦しい小説には続編がある。『医院でのテレーズ』、『ホテルでのテレーズ』、『夜の終り』。

学生のときに読んだ文学全集のモーリヤック編ではこれらの作品も読めたけど、いま手元にある本は表題作のみ収録(文学全集なので、残りのページはジッドの『狭き門』に費やされている)。続きはいまどの版で読めるのか調査中、私が好きなのはまさに『テレーズ』以降の彼女なのだ。

『ジェーン・エア』にはずっと支えられている。まずジョーン・フォンテイン主演の映画を6歳ぐらいで観て、健気で強く聡明なヒロインに憧れた(マーヴィン・ルロイの『若草物語』も同時期に観たので、マーガレット・オブライエンにも夢中になった)。ジェーンが劇中で風変わりと言われているところもよかった。知らず知らず、周囲の環境にになじめない自分に重ねていたのだと思う。

私が持っている新潮文庫版の表紙はその映画のワンシーンを絵画調にアレンジしており、袖には映画のいくつかのシーンが載っている(そうだ、子役時代のエリザベス・テイラーを忘れてはいけない!)読むたびに映画を観たくなるし、映画をみたらやはり原作をまた読みたくなる。マイ菊正宗的作品である。

 

あらら、もうちょっとふくらまして読書記事にすればよかったかな。でもまとまりはないし、とりあえず日記で。  

テレーズ・デスケルウ (講談社文芸文庫)

テレーズ・デスケルウ (講談社文芸文庫)

 

   とりあえず一番最近のものを貼っておきます。最近オドレイ・トトゥ主演で映画化されたようですが、過去にフィリップ・ノワレ出演でモノクロ映画があった気がするんですよね…。情報求む。 

ジェーン・エア〈上巻〉 (1953年) (新潮文庫)

ジェーン・エア〈上巻〉 (1953年) (新潮文庫)

 

  この表紙の版を持っています。いまはこれじゃないし、最新の映画ではミア・ワシコウスカがジェーンを演じてる。

ジェーン・エア [DVD]

ジェーン・エア [DVD]

 

 ジョーン・フォンテインの美しいことよ!ちょっと戸惑っているときの顔がなんとも堪らないのです。