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いつも心にデカダンを。

【映画】コクーン歌舞伎『四谷怪談』をスクリーンで!

昨年上演されたコクーン歌舞伎『四谷怪談』(2016)がシネマ歌舞伎としてよみがえり、今年9月に上映される。


NEWシネマ歌舞伎『四谷怪談』予告60秒

・シネマ歌舞伎の上映情報はこちら

www.shochiku.co.jp

・コクーン歌舞伎『四谷怪談』上演当時の情報はこちら

www.bunkamura.co.jp

コクーン歌舞伎とは?シネマ歌舞伎とは??

コクーン歌舞伎はその名の通り、Bunkamura コクーンシアター(東京・渋谷)にて上演される歌舞伎公演。十八世中村勘三郎の発案により、古典の新解釈や斬新な演出を盛り込み歌舞伎を進化させるプロジェクトとなった。また歌舞伎界の外からの俳優・アーティストの起用もしばしばあり、特に笹野高史は各公演に欠かせない役者となっている。

そしてシネマ歌舞伎は国内の各公演を撮影し、惜しくも公演に行けなかったファン、公演は観たけど作品をもっと楽しみたい!ファンに向けて全国で上映する松竹座の映像シリーズ。同時に歌舞伎ファン以外にも舞台の魅力が伝えられるよい取り組みだ。コクーン歌舞伎、シネマ歌舞伎、ともに現代歌舞伎の発展に多いに貢献していると言えるだろう。

2016年版『四谷怪談』について

1994年の初演以来、コクーン歌舞伎でどんどん進化する『四谷怪談』だが、2016年版の公演も傑作と言って間違いない。七之助、官九郎、獅童の命をぶつけ合うような競演は勿論、串田和美の鮮烈な演出、笹野高史の好センス、また首藤康之(ゲスト出演)の意外で心地よい裏切り…すべてにおいて完成度が高い舞台だった。そしてお岩演じる中村扇雀(※1)の、言葉ではとても表せない「芸」によって、作品はどこか神話めいた雰囲気さえ帯びていた。あの興奮がよみがえるのはとても嬉しいし、観客の視点がカメラワークで自由になり、役者の顔、たたずまい、あるいは場そのもの――それぞれに新たな発見の機会ができることも喜ばしい。

たまたまル・シネマのウォン・カーウァイ特集上映で予告編を観たが、かなり充実した内容の予感。 是非もう一度「体験」したい。

(※1)好きすぎるので普段は「扇雀様」と呼ばせて頂いております。