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いつも心にデカダンを。

【日記】2016年11月11日

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10月のひきこもり期間に、昔フィルムで撮った写真を見つけた。

おそらく、10年ほど前のものだろう。相変わらずへたっぴだが、思い出を封じ込めることには成功したようだ。初秋の九十九里浜、チューリヒ空港、パリの空、などなど、、、いまとなってはもう何処か分からない風景もある。

劣化部分は復元すれば直るだろうが、迷っている。やや手前味噌になるけれど、この写真が鮮やかだったころと今の状態とで、こころが受ける光の量は変わらない気がするからだ。第三者では違う意見になるだろうけれど。

といって、いつも自分のためだけに写真を撮っているわけでもない。大きすぎる志(こころざし)を嗤われようと、ひとたび撮る以上はシャッターごとに対象を完膚なきまでに解体し、もういちど作り上げないといけない、そう思っている。そして、それは殆ど暴力的なやりかたになることもある(事物の捉え方において)。それをさらに整えたり、たまには血塗れの状態で、人様に差し出さねばならないのだ。新しいことを視るために。あるいは、識るために。。。万年アマチュアであろうと自分が写真を撮るのはそのためだ。

…こう書きながら、これらの古い写真たちは今後も極めて個人的な領域に留めておくことを、初冬のきょう、決めた。